2014年6月29日日曜日

板取の薬草と山菜

 板取は山の中にあります。

 周りは木々や草で囲まれています。

 その中には薬草や山菜があちこちに普通に見られます。

 その薬草と山菜を紹介します。

 まずは、これから・・・・、
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 これは誰もが知っている「ドクダミ」。

 近づくとほのか何をいがして、つぶすと強烈な臭いを発します。

 薬効は、化膿性のはれものには、新鮮な葉を水洗いし、新聞紙等に包んで火に焙り、柔らかくなったら、はれものの大きさに折って、絆創膏で止めておくと、膿を吸い出し、はれがひきます。 

 利尿、便通及び高血圧予防には単独のドクダミ茶を用いますが、十薬20~30グラム、薏苡仁(よくいにん・ハトムギ)10グラムとを煎じ、お茶代わりに飲むと一層効き目があります。 


 便通を整え、十薬(じゅうやく)中のクエルチトリン、イソクエルチトリンの作用によって、緩下作用、利尿作用、血圧を降下する効果があります。 

 注意点としては、単独での服用時、体が冷えている時や体調の悪い場合には用いてはいけません。 


 つぎはこれです。

 あまり多くの人は知らないと思います。
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 名前は「ゲンノショウコ

 ゲンノショウコは、飲みすぎても便秘・下痢などの副作用がなく、優れた健胃整腸剤といえます。 

 食中り、下痢、慢性の胃腸病、便秘に効き目があり、煎じる場合は、時間をかけて十分煎じる必要があります。 

 下痢止めに1日量20グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、温かくし、適宜2回に分けて服用します。 

 胃腸の弱い人は、お茶代わりに飲んでもよく、利尿の目的で使用するときは、10~15グラムを1日量として、0.5リットルの水を加えて、5~10分煎じ、3回に分けて食間に服用します。 

 高血圧予防には、ゲンノショウコ10グラム、ドクダミ10グラム、決明子(けつめいし)を少し炒ったもの5グラムを土瓶などで煎じて、お茶代わりに飲むとよく効くとされます。 

 しぶり腹、冷え性、婦人の血の道には、ゲンノショウコ風呂(ゲンノショウコ100グラムとヨモギ100グラム)を用います。 





 そして誰もが興味津津な山菜です。








 ご存じの「フキ
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 そして、「三つ葉
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 なんでこんなところに・・・・・なんて思いましたが、種が落ちたんでしょうね。

 ここのミツバは日が当たって小さいですが、林の中は日当たりが悪いので大きく育っています。

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 他にもタケノコ水ぶきコゴミなどが自然に目に入ります。

 私としては山菜として特に興味はなく、採ってまで食べようとは思いません。

 一つの季節を感じさせてくれる野菜ですが・・・・・・。

 こう書くと大勢の人が板取目がけてやって来るかもしれませんが、イラクサには気をつけてください。

 手を伸ばした先にはとげが待っている・・・・・かもですから。







2014年6月27日金曜日

草で覆われたその下に・・・・・

 何事も上に覆いかぶさっている状態ではその下に何があるのかは分かりません。

 板取で草むしりをしている時に感じました。

 長い間放置されてきたせいで、倒れた杉の木があちこちにあります。

 それを取り除いて元の状態にするにはちょっと時間がかかりますが、やれないことではありません。

 さて、この倒れた杉の木から処理していきます。

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 枝を切り取っていくと・・・・、

 これだけ出てきましたが、もちろんこれだけではありません。

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 木を覆っていた草を取り除くと・・・・・、
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 これだけ草がありました。
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 ここがむしった草を集めて捨てた場所です。
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 大分きれいになりましたが、まだまだです。
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 春先に綺麗に掃除した小道にも草がまた生えてきました。

 これもきれいにして歩きやすいようにしようと思います。

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2014年6月26日木曜日

身近に潜む危険

 板取宿の周辺の整備をするにも危険が一杯です。

 と言ってもマムシなどに襲われるという訳ではありません。

 今は雑草が生い茂ってきているので、その雑草を毟っています。

 その雑草の中に刺されると痛いイラクサが紛れ込んでします。

 ハチに刺されたような痛さではないんですが、ちくちくと痛みます。

 これで10回くらいは刺されたでしょうか。

 これを防ぐには簡単で手袋をすればいいんですが、手袋をすると草むしりはなかなか捗らないので、勢い素手でやってしまいます。

 これがイラクサですが、ちょっと見では普通の草のように見えます。

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 ところがその茎を見ると・・・・・、

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 細いとげのようなものがびっしりと生えています。

 よく似た他の草ではみられません。

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 どこが違うのかと言われれば、葉っぱの切れ込みに違いが見られます。

 毒々しい形や色をしていて一目で見分けがつくようなら、気が付くので刺される心配もないんでしょうけれど、似通っているとなかなか見分けがつかず、刺されてしまいます。

 これから野山に出かける時には充分に注意しましょう。







2014年6月24日火曜日

割木の確保

 板取の茅葺き屋根の家を保存していくことはなかなか大変です。

 と言うのも、現在の生活はエネルーギー源を電気やガス、灯油に頼っていて、お金を出せばそれらは簡単に買えます。

 また家も現代風になっていて程よい乾燥状態で過ごすことが出来るように設計されています。

 ところが昔の茅葺き屋根の家ではエネルギー源を全て薪に頼っていました。

 煮炊きをするにも薪が必要でした。

 その薪の確保が子供たちの仕事の一つでした。

 今でもその状況は変わっていないんですが、その薪が確保できません。

 板取の周りには杉の木が植林されていて、その枝が良く落ちてくるんですが、これだけでは到底足りません。

 また杉の木は火力は強いんですが、すぐに燃え尽きてしまうためあまり囲炉裏で薪にするには適していません。

 広葉樹の木が一番なんですが、それもなかなか手に入りません。

 そこで河川の改修工事などで出てくる河原に生えた木を伐採した時に貰うようにしました。

 少し前、国道365号線の工事が行われていた時に伐採された木を貰ってきました。

 太い木は一人では持てないので、細い木を貰ってきました。
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 木は水分を含んでいるととてつもなく重たくなります。
 
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 軽トラックで数回往復して運びました。
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 運んだ割木は屋根の下で重ねて保管し乾燥させえから使います。

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 長さが長いので半分くらいに切りそろえる予定です。

 もっと多く運んできたと思うんですが、重ねてみるとそんなにでもありません。

 でもこれだけ運んでもせいぜい囲炉裏で燃やせる日はそんなに多くありません。

 一年中火を焚くということは大変です。

 でも、これを昔の人はやってきたんですね。






2014年6月19日木曜日

板取でのお仕事

 時間に余裕がある日は、アルバイトに行く前に板取に行って草むしりなどの作業を行っていますが、最近は茅場の雑草刈りをしました。(その様子は昨日のブログに書きました)

 板取には、そんなに多くは無いですが、ふらりとやってくる夫婦や旅人がいるので、その人に不快な思いをさせないようにとスンバ拾いや砂利道の復活などを行っています。

 囲炉裏に火を入れる時には火の番をしなければいけないので、囲炉裏に火を入れたままにすることはできません。

 それで外で草むしりなどの仕事をする時には囲炉裏に火は入れません。

 そうなるとどうしても雨の日に火を入れることになります。

 拾い集めたスンバや杉枝が増える一方となるので、その時には燃やします。

 雑草に覆われたその下に倒木が横たわっていても葉っぱに隠れてよく分かりません。

 で少しだろうと思って取り出してみると、これがとんでもない量だったりします。

 先日はこのような状況でした。

 むしった草。
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 この下にはあるものが・・・・・、


 蓑(みの)です。
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 あまりの多さにが隠れてしまってました。

 左の杉の木の根元に横たわる倒木の枝が・・・・・、
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 これだけ出てきました。
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 が、これだけではありません。

 まだ隠れています。

 大分きれいになりましたが、まだ草に隠れている杉の木が残っています。
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 夢の途中ならぬ草むしりの途中です。
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 毎日出来ることは少しですが、草の一本を毟れば確実に草は一本少なくなってきています。

 牛歩のごとくに・・・・ですが、板取を訪れる人にいいところだね!! って言われる日を目標にして、今日も行ってきます。


 



2014年6月18日水曜日

茅場の整備

 茅葺きの家では屋根を葺き替えたりする時にススキが必要になります。

 昔は結などの組織があって集落全体でススキを集めていましたが、今ではそんな結も無くなりススキを刈り取る茅場も無くなりました。
 
 だから屋根をふき替える時にはススキを買わなければいけないんですが、これが結構な値段がします。

 そこで自前でススキを確保することにしました。

 さいわい家の前にはススキが生えていて、そこのススキを集めることにしました。

 昨年から始めたんですが屋根全体を葺き替える量のススキを集めようと思うと大変ですが、毎年少しづつ集めていけば補修に使うぐらいのススキは集められるんじゃないかと思っています。

 ススキの他にも雑草が生い茂っているのでススキだけを残して刈り取りました。

 ここが茅場です。
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 すっきりしました。
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 もちろんこれだけでは全然足りません。


 この他にもススキが生えている耕作放棄地で刈り取りを行おうと考えています。

 また、もう一つの茅葺きの家の屋根裏を利用してススキを燻そうと考えています。







2014年6月13日金曜日

板取宿(竹澤家)の歴史

約10年ほど前から福井県を紹介するブログを書いていた私は当然板取の宿に関してもたびたびそこを訪れて写真を撮って記事を書いていました。

 残っている家はたった4軒ですが、絵になるところです。

 秋には紅葉が美しく、冬には雪景色が良く似合います。
 

 苔むした屋根、窓から上る煙は旅情を誘います。
 

 そんな板取に訪れた雪の災難。
 2年続けての大雪に屋根は腐り落ちました。
 
 
 なぜこのように今まで雪にも耐えていた屋根が崩れ落ちたのかというと、人が充分な管理をしてこなかったからです。

 住まなくなって何年も放置されていたり、管理する人が中で火を焚いたり窓を開けて換気をしてこなかったせいでカビが繁殖していた屋屋根などを腐らせました。

 茅葺きの屋根でも火を焚いたり換気をすれば20~30年は持つそうなのですが、それを怠ったために僅か5,6年で腐ってしまいました。

 屋根はススキで出来ているので当然といえば当然です。

 この現状を見た時になんとかしなければ板取から家がなくなってしまう・・・・・との思いが強くなり、町に対して管理することを申し出ました。

 町としては町外の人や家族に住んでもらうことが希望でした。

 過疎化が進む町としては住民を増やしたかったからです。

 しかし私は町民なのでなかなか許可が下りてきません。

 しかも住むということを明言しなかったために、なかなか許可がおりませんでした。

 1昨年の9月に申請してから翌1月まで許可が下りませんでしたが、ようやく1月の終わりごろに許可が降りました。

 時は冬。

 雪が多い季節です。

 例年だととても行けるような時期ではありません。

 ここでは積雪量が2メートルは普通だからです。

 幸いにその年は雪が少なく、軽トラックで薪などを運ぶことは出来ました。(運び終わったころに雪が降ってもう徒歩でしか行けなくなりましたが・・・・・)

 家の中は見た目には何の問題もなく住めそうな感じでしたが、畳の上を歩くと沈み込む部分がありました。

 床板と畳がやられてる!!

 腐っていることがはっきりと分かりました。

 畳を上げてみると・・・・・、
 

 床板は白くカビていて、畳も白く変色していました。

 完全にカビでやられています。 恐らくここだけではなく全体が腐っているような感じでした。

 そこでとりあえず囲炉裏を焚くときに畳を乾そうと思い囲炉裏の火棚に立て掛けて乾かしました。
 

 でもこのようにしても分厚い畳はなかなか乾きません。

 気休めでしかないと思いますが、しないよりはした方がいいだろう・・・なんて素人考えでとにかく干しました。 今はこの畳を敷いています。

 板取の冬は長く、雪も多いのですがこの年は少なかったので割木を運び入れました。
 
 
 その後、町は床板の張り替えを行いました。

 床板は手で簡単に剥がすことが出来るまでに腐っていました。
 
 

 剥がした板は囲炉裏で燃やしました。

 床板の交換はこの家だけではなく3軒で行い、その時に出た板は全部囲炉裏で燃やしました。
 

 その張り替えで出た床板の一部です。
 
 
 借りてからほぼ毎日板取に行って火を焚くことに専念した結果でしょうか、完全ではありませんが半年もするとカビ臭さが抜けてきたように思いました。
 
 そして、昨年の9月に行われた「SATOYAMA国際会議2013inふくい」が開かれ、私が管理している家にもカンボジアの環境省の方が見学に訪れました。

 その時の写真は私が受け答えをしたので残ってません。 町にはあるかと思いますが・・・・。

 時間がある時には板取に行って囲炉裏に火を入れるだけではなく、周りの草むしりやごみ拾いなどをしています。

 そうしていると、どうすれば板取を残せるかのアイデアが次々と浮かんできます。

 例えば、この家をたんに住むだけではなくいろんなことを学べる場として、体験できる場として提供していけたらと思います。

  囲炉裏の体験場として。
  子供たちの火育の場として。
  今庄の特産である吊るし柿を作れる場として。
  外国の人に対して、100年前に日本の生活状況を見てもらう場として
 などなど。

  今年は町の二つの子供会がここで吊るし柿を作り、火育をすることになりました。

 板取をどのようにすれば後に続くものが現れて、あとを継いでくれるのかを考えています。

 それにはどうしても経済的利点がなければ続かないと考えています。

 町の施設の商業利用と言えば出来ないこととされていますが、それを何とか方向性を変えていきたい。

 町の財産である板取の宿。

 そして町の負担でもある板取の宿。

 それを残していきたいと考えています。

 残せる方策を考えていきたいと思います。