2024年10月19日土曜日

板取宿との馴れ初め

私が板取宿にある茅葺屋根の家を管理し始めたのはかれこれ10年以上になります。

 その当時は板取宿があるということは知っていましたが、そんなに興味はなかったです。

 それが関わりを持つようになった切っ掛けは、屋根が腐って落ちていたところを見たからです。

 このままでは何れ取り壊さなければならなくなる!?と思ったことが切っ掛けでした。

 その後、教育委員会に掛け合って管理させて貰うよになったんですけど、それまで時間が掛かった。

 そいうのも、その頃の町の方針として町外の人間に住みながら管理してほしいという方針がありました。

 私は今庄町民でしたので当然許可が下りないわけです。

 それを何回も交渉してやっと管理することが出来るようになりました。

 中に入ってまたまたビックリ!!

 畳は腐ってるわ、床板は腐ってるわ、部屋の中はかび臭くて、どうしたもんかいな・・・・??

 途方に暮れるばかりでした。

 えらいもんを引き受けたなと思いましたが、しゃーない!!

 やれるだけやろうと決めて先ずはカビ集を消すことから始めました。

 臭いを消すと言っても消臭剤では表面的なことなので根本的に消さなくては・・・・。

 とにかく部屋を乾かして・・・・。

 それには囲炉裏で火を焚くこと、これしかないと思い火を焚くことから始めました。

 それには薪がいりますが、町からは提供されないので自分で確保しないといけません。

 どうやって??

 幸い私の家には吊るし柿用の薪があったので、それを使うことにしました。

 かび臭さはなかなか消えませんでしたが、3~4年後にはやっと消えました。

 薪を燃やすと言っても一日に1~2時間じゃなく6~7時間は毎日燃やし続けたと思います。

 それでやっとカビ臭が消えました。

 茅葺屋根の家の保存にはとにかく家の中を乾かさなければいけないので、最良は火を焚くこと一択です。

 ただ住んでるだけとか、ファンヒーターは厳禁です。

 人間からもファンヒーターからも水分は出るのでカビにとっては繁殖するのに良い環境になります。

 細菌を培養するシャーレの中みたいです。

 特に夏場の気温が25℃以上、湿度が80%以上になれば爆発的に増殖します。

 これを守れば家は長持ちします。

 今日はこれまでとします。

 あまり書くと長文になってしまうので・・・・。

 
 もうすぐ冬が来ます。

 板取は雪が深いので毎年雪囲いは必須です。

 雪は降らないに越したことはないですけど、降った時に家を傷めるので雪囲いはしないといけませんね。


嬉しいお知らせ!!

嬉しいお知らせです!!

 ついに水道が整備されることになりました。

 今までは谷川の水を利用してたんですが、これをきれいな水道水にすることになりました。

  今年中に整備されるそうなんですが、これで一安心です。

 これで多くの人に利用してもらえそうです。

 お客さんにも喜んでもらえそうです。

 

 
 いろんな人に利用してもらって価値が出てくると思いますので、それまでお待ちください。

 それでは・・・・・。


2021年9月17日金曜日

屋根の補修が始まりました!!

 屋根の傷みが激しくなってようやく補修することになりました。

 茅葺の屋根はススキで葺いているためどうしても時間とともに痛んできます。

 それで差し茅や葺き替えを行うんですが、なかなかススキが手に入りません。

 日本全体で見れば育てているところもありますが、なにせ福井県から遠く離れているためこちらまで持ってくるのに運搬費がかかります。

 今でも多く茅葺の家が残っている地域では屋根の葺き替えを仕事にすることも出来ますが、そうでない地域ではどうしても仕事として成り立ちません。

 これも時代の流れで仕方がないのでしょうね。

 今年は3軒の家の屋根が補修の対象です。

 まずは家の周りに足場を築きます。

 
 屋根に苔が生えてるのが見えます。

 こちらは家の南側です。

 
 写真ではよく分かりませんが、屋根が凹んでいます。

 もう一つの屋根はだいぶ傷んでいます。

 
 ススキが抜けているのが分かります。

 ここまで痛んでしまうと直すのに時間とお金がかかります。


 工期はいつまでかかるとは聞いていませんが、雪が降る冬までには直してほしいものですね。

 

2021年8月20日金曜日

相当ヤバい屋根の状況

 以前化お願いしていた屋根の補修がようやく決まりました。

 昨年は予算がないと言うことで痛んでいることは分かっているものの、お金が無いと言うことで延び延びになっていたものです。

 これは予算が付いたというより、保険金が下りるというのが良いですが・・・・・。

 何はともあれ、屋根が補修されるのは良いことです。

 どんな屋根だったかと言うと・・・・・、こんな感じ。

 こちらが私んちの屋根。

 
  屋根の下の方が凹んでます。

  反対側(北側)の屋根

 
  こっち側で雨漏りが発生しました。

  一見大丈夫そうに見えるんですけどね。


 こっちがお隣さんちの屋根

 
  茅が抜けてるのが見えます。

  雨漏りはしないんでしょうか?

 これがお隣さんの裏側(西側)

 
  ブルーシートの下は相当痛んでいるようです。

 隣の家の屋根は葺き替えになるようで終わるのに時間がかかります。

 私んちは差し茅なので少し時間は短いそうです。

 屋根の補修が終われば雨漏りはしなくなるでしょうし、見た目もきれいになると思います。

 その時にはお知らせしますので、来てくださいね。

 お待ちしています。


2018年12月20日木曜日

雪が降る前に・・・・・(雪囲い)

 雪国の毎年の仕事の一つに『雪囲い』があります。

 雪で家の板塀が損壊するのを防ぐためです。

 今年も組み立てました。

 今年は昨年までと違って綺麗に出来たと思います。

 柱毎に柱を立てて横木を通します。

 
 

 柱と横木はテープで縛って崩れないように強くします。
 
 
 
 後は横木に沿って板を載せていきます。

 

 これで家と雪囲いの間に隙間が出来ました。
 
 

 これだけ隙間があれば大丈夫でしょう。

 これでいつ雪が降ってきても大丈夫です。

  

2018年9月17日月曜日

壁の補修

 今年の冬、家の中の配管が凍って割れてしまいました。

 割れたときはまだ水は漏れてなかったと思うんですが、春に近づくにつれて氷が解けて水が勢いよく漏れてきました。

 漏れ始めたのを気付いてのは少したってからで、気付いた時には壁が落ちていました。

 とにかく漏れてる水を止めて、落ちてきた土壁を始末しました。

 この写真は土壁を始末した後に撮ったもので、最初はあたり一面に泥と水が溢れていました。

 
 コンセントも近くにあったんですが、よく漏電しなかったと思います。

 業者の方に壁の補修をしてもらったんですが、煤で色が変わっていたので、新しい壁の色の二色になってしまいました。

 

 コンセントも取り付けて・・・・、
 
 きれいには仕上がったんですが、なんか色が・・・・・。

 元の色に戻るには囲炉裏に火を入れて煤がつくまで待たないといけないでしょうね。

 それまでどの位かかるか分かりません。

 水を流していたにもかかわらず配管が割れたので、今後どのように冬を過ごせばいいのか・・・・・。

 でも今回割れた配管は取ってしまったので、同じ場所では割れないと思います。


 

2018年5月5日土曜日

屋根の補修

 冬の雪の影響で、薪を積んである場所の屋根が落ちてしまいました。

 それで直すことにしたんですが、なにしろ工作というものに全然自信がない。

 でも放っておくと薪が雨に濡れてしまうので、やってみることにしました。

 
 屋根が落ちたのは家の屋根から雪が落ちてきて、当たったんだと思います。

 それに、もうだいぶ古くなっていましたから。

 

 まずコンパネを買ってきて足りない部分は板を継ぎ足して・・・・・。
 
 上には波板を載せて・・・・。

 やっと出来ました!!
 

 持ちた屋根は壊して燃やそうと思います。

 波板を曲がらずにきれいに切るのに自信がなかったんですが、時間をかければ何とかなるものだと思いました。

 これで見た目もきれいになりました。

 痕は薪を積み増すだけです。

2018年5月3日木曜日

板取の桜

 もう桜の時期は終わりましたが、板取にも何本か桜の木が植えてあります。

 ただ雪が深いためによく折れるので、なかなか手当てをすることが出来ません。

 

 雪が多かった今年は珍しく枝は折れませんでした。

 枝が伸びるとどうしても雪の影響を受け易くなって、折れてしまいます。

 それでも健気に春になると綺麗な花を見せてくれます。

 きっと板取を訪れる人も茅葺きの家と桜を見て心が躍るんではないでしょうか。

 あまり目立たずにひっそりと咲く桜。

 でも見ている人はいますね。

2018年5月2日水曜日

雪囲いの取り外し

 長い冬も終わって、雪も大分溶けたので雪囲いを取り外しました。

 家の周りを囲んでいた柱と板を解きほぐします。
 

 玄関の板も外します。
 

 これでスッキリしました!!
 
 
 
 外した柱や板は一所に固めて来年の冬までさよならです。

 今年の冬は雪の降り始めも早く長引きました。

 それでも時が来ればゆきは溶けるものです。

 こんな季節を生き抜いた人はきっと我慢強いんでしょうね。

 さて、ホコリが溜まっている部屋を掃除して、旅人を迎えられるようにします。

 

2018年4月8日日曜日

屋根のコケ取り

 今年の雪は大雪でした。

 雪が多いと茅葺きの屋根も痛みます。

 これは屋根に積もった雪がずり落ちる時に、茅も巻き込んで落ちるためです。

 また、屋根を長く持たせるために、屋根に生えたコケを取り除く必要があります。

 今年は、3月の雪が残る時期に行われました。
 


















 





 下にはブルーシートを敷いて、取り除かれたコケが散らばらないようにします。
 

 屋根は急こう配なので直接屋根の上にのぼることはありません。
 
 梯子に乗りながら、熊手でコケを取ります。

 こうやって見ると高所作業ですね。
 
 高所恐怖症の人には出来ません。
 
 こうやって手間暇をかけるからこそ残せる家です。

 板取にある4軒の茅葺き屋根の家は町の所有となっているからこそ出来るんでしょう。

 河原の屋根では毎年手間をかける必要もありませんが、茅葺きの家は時間とともに腐っていくので、手を加え続けることが必要です。

 こう考えると個人では持てない家ですね。