ライフラインを整備することが人の生活には欠かせません。
特に飲料水の確保は最大のものです。
住めるかどうかの別れ道になります。
その為に人は井戸を掘ったり、谷川の水を引いたりしました。
ここ板取でも例外ではなく、昔は電気ポンプなどという便利なものはなかったので水を引いてくるのはそこに住む者にとってみんなが負担する仕事になっています。
板取宿では崖の上に立っているので井戸はなく、谷川の水を利用していました。
でも時々その谷川の水を引く堰がごみで詰まってしまいます。
それを定期的に取り除くのも板取に住む者の仕事の一つです。
またその堰は高いところにあるのでそこまで登るのが大変です。
先日久しぶりにその堰を見に行きました。
でもこの時期はクマが冬眠から目覚めてでてくるかもしれないので、家で見つけた拍子木を打ち鳴らしながら上っていきました。
山からの土砂が雨で入ってこないように土塁と板で囲んでありました。
これも簡易的で何年持つか分かりませんが・・・・・。
板をもっと高くすると今度は、土砂を取り出すのに難点となります。
痛し痒しでしょうか。
谷川の近くにコゴミが出ていました。
コゴミは山菜の一種で春のこの時期には河原でよく見ることが出来ます。
板取二は平地がありません。
山の中ですから当然ですが・・・・・。
昔は山で生計を立てていました。
木を切ったり、薪を作ったり、炭を作ったりして収入を得ていました。
その一端を見ることが出来ました。
それがこの炭焼き窯の跡。
山の中腹に造られています。
泥で作られた天井もあったんでしょうが今ではすっかり崩れ落ちていました。
炭焼き職人は山の持ち主と交渉して生えている木を刈らせてもらう代わりに杉やヒノキの植林をしました。
いわばバーター取引です。
雑木は薪にするぐらいしか価値はなかったんですが、こうすれば山の価値はお金をかけずに杉やヒノキの植林が出来た訳です。
一石二鳥です。
そして炭焼き小屋の周りに木がなくなると、次の山を求めて移っていきました。
ただ木が生えているだけの山ではなく歴史もあるんですね。
目を凝らして見るといろんな人間の営みが見えてきます。
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