私が板取宿にある茅葺屋根の家を管理し始めたのはかれこれ10年以上になります。
その当時は板取宿があるということは知っていましたが、そんなに興味はなかったです。
それが関わりを持つようになった切っ掛けは、屋根が腐って落ちていたところを見たからです。
このままでは何れ取り壊さなければならなくなる!?と思ったことが切っ掛けでした。
その後、教育委員会に掛け合って管理させて貰うよになったんですけど、それまで時間が掛かった。
そいうのも、その頃の町の方針として町外の人間に住みながら管理してほしいという方針がありました。
私は今庄町民でしたので当然許可が下りないわけです。
それを何回も交渉してやっと管理することが出来るようになりました。
中に入ってまたまたビックリ!!
畳は腐ってるわ、床板は腐ってるわ、部屋の中はかび臭くて、どうしたもんかいな・・・・??
途方に暮れるばかりでした。
えらいもんを引き受けたなと思いましたが、しゃーない!!
やれるだけやろうと決めて先ずはカビ集を消すことから始めました。
臭いを消すと言っても消臭剤では表面的なことなので根本的に消さなくては・・・・。
とにかく部屋を乾かして・・・・。
それには囲炉裏で火を焚くこと、これしかないと思い火を焚くことから始めました。
それには薪がいりますが、町からは提供されないので自分で確保しないといけません。
どうやって??
幸い私の家には吊るし柿用の薪があったので、それを使うことにしました。
かび臭さはなかなか消えませんでしたが、3~4年後にはやっと消えました。
薪を燃やすと言っても一日に1~2時間じゃなく6~7時間は毎日燃やし続けたと思います。
それでやっとカビ臭が消えました。
茅葺屋根の家の保存にはとにかく家の中を乾かさなければいけないので、最良は火を焚くこと一択です。
ただ住んでるだけとか、ファンヒーターは厳禁です。
人間からもファンヒーターからも水分は出るのでカビにとっては繁殖するのに良い環境になります。
細菌を培養するシャーレの中みたいです。
特に夏場の気温が25℃以上、湿度が80%以上になれば爆発的に増殖します。
これを守れば家は長持ちします。
今日はこれまでとします。
あまり書くと長文になってしまうので・・・・。
板取は雪が深いので毎年雪囲いは必須です。
雪は降らないに越したことはないですけど、降った時に家を傷めるので雪囲いはしないといけませんね。